【よく分かる】光通信の仕組み(光通信の特性、ネットワーク構造を解説)

通信

こんにちは。*くろみー*です。サイエンスのお話をします。

今回は私たちが普段からお世話になっている光通信について解説します。

10年位前はADSLの電気通信でインターネットをやっていましたが、光通信に変えてから劇的に通信速度が速くなったことを記憶しています。

光通信の素朴な疑問に答えていきたいと思います。

はかせ
はかせ

この記事で次のような疑問を解決できます。

◯ 光通信では、どうやって情報を伝えているのか。

◯ 光ファイバーと半導体レーザーとは何か。

◯ 光通信のネットワークはどうなっているか。

最後まで読んでいただけますと嬉しいです。

光通信の仕組み

現代において情報のほとんどの送受は、デジタル(0と1)の信号によって行われています。デジタル信号と呼ばれるものです。光通信では0と1の表現を光の点灯と消灯によって表現しています。つまり光を点滅させることで、情報を使えているということですね。

参考 0と1でどうやって文字を表現するのか

コンピュータでは、文字コード(ASCIIなど)というルールに従って文字を表現します。例えば、Aは「1000001」、aは「1100001」といったように決められています。このようにコードが統一されているので、世界中でコミュニケーションができます。

ということは、遠くにいる人に光で情報を伝えるためには、点滅をはっきりと伝えてあげれば良いということになります。

光通信の重要部品である光ファイバーと半導体レーザー

光通信は、光の点滅で情報を伝えていますが、光通信を成り立たせるためには、遠くにいる人に正確かつ高速に点滅を伝えてあげる必要があります。このキーになる重要部品が、光ファイバーと半導体レーザーです。

光ファイバー

光ファイバーは、光を線の中で全反射させて、減衰させずに遠方まで伝える通信線のことです。簡単にいうと、光が外に漏れない細いホースのようなものが光ファイバーです。

光は、光ファイバーの中を反射しながら進んでいきます。

「減衰させずに」と書きましたが、厳密にいうと完全に減衰を防ぐことは、現在の技術ではできません。

よって途中に光の増幅器を挟むことで、遠くに光を送ることを可能にしています。増幅器というのは、弱くなった光の強度を強くしてあげる装置のことです。

光ファイバーで減衰が起こると言いましたが、これまでの電気通信で使われていた同軸ケーブルに比べれば、減衰は相当なくなりましたので、増幅器の設置数自体もかなり減らすことができています。

また、光ファイバーでの光の減衰は、レーザー光の波長と相関があり、波長が長い方が減衰が小さい傾向があります。

参考 波長とは

海で見るような波と同じで、電波も光も波の性質があります。

波長とは波の高いところと高いところまでの長さのことです。波長が短いということは小刻みな波ということです。

従来の電気通信の場合は、通信速度が大きいと、伝送中の減衰が大きくなりますが、光ファイバー通信は、通信速度を大きくしても減衰が大きくならないという特性があり、高速通信に適しています。

半導体レーザー

半導体レーザーは、点滅によって信号を伝達する光源になるものです。

光ファイバーの中を進む光の速度は、波長によって微妙に異なっているので、半導体レーザーの発する波長は1種類のほうが望ましいです。

現在使用されている半導体レーザーはDFBレーザーとFPレーザーの2種類が主です。

波長が1種類の半導体レーザーがDFBレーザーで、波長が数種類ある半導体レーザーがFPレーザーです。

DFBレーザーはコストが高いため、コストが安いFPレーザーも主流となっております。用途によって使い分けしているという現状です。

参考 DFBレーザーとは

Distributed FeedBackレーザーの略です。分布帰還型レーザーと言われます。光の波長が1波長のみのため、長距離、大容量通信が可能です。

参考 FPレーザーとは

Fabry-Perot(ファブリ・ペロー)型レーザーの略です。構造がシンプルで製造しやすく、製造コストが低いというメリットがあります。

CD・DVD・BDプレーヤー、レーザープリンタなどの多くの用途に使用されている。

発出する光の波長が数波長ある。近距離、中程度の容量の通信に適している。レーザーの価格が安いというメリットがある。

DFBレーザーを使用すると、1本の光ファイバーの中を複数の信号を同時に送ることができます。

例えば、送信側から3種類の異なった波長の光信号を出し、受信側でそれぞれの波長のみを検出する受信機を設置するといった仕組みです。

これによってさらに高速な通信を可能にします。この方式をWDM方式と言います。WDMはWave Division Multiplexingの略で、波長多重方式です。

通常、光通信で通信容量を増やそうとした場合は、光ファイバーの本数を増やすことで可能になりますが、WDM方式を使用することで、光ファイバーの本数はそのままで通信容量を増やすことが可能になります。

参考 bpsとは

bpsとは、ビット パー セカンドで、bit / secondのことです。1秒間あたりのビット数という意味になります。ビットは、コンピュータで扱う情報量の最小単位のことでデジタル通信の場合は、「0」「1」に対応しています。光通信では光の点滅(オンとオフ)で0と1を表現しているので、bpsは単純に点滅の総回数ということになります。

光回線は1~10Gbpsの通信速度、WiFiは500Mbps位の通信速度です。10Gbpsだと1秒間に10,000,000,000 bitなので、1秒間に100億回の点滅数ということになります。ものすごい数ですね。

光ファイバー通信ネットワーク構造

光ファイバー通信ネットワーク構造としては、大きく3階層に分けられます。

一番上の階層は、ロングホール・バックボーンと呼ばれ、100km超えの国家間や都市間の通信網です。中間の階層は、メトロネットワークと呼ばれ、数十km程度の都市間の通信網です。一番下層の階層は、アクセスネットワークと呼ばれ、家庭や個人とメトロネットワークを繋ぐものです。

今では、海をまたぐ国同士でも、海底ケーブル(海底に沈められている光ファイバーの束)でつながっているため、海外とも高速でやりとりができます。

参考 海底ケーブル

昔は、海をまたぐ国同士の通信は人工衛星を経由して行っていましたが、今は海底ケーブルでしっかりつながっています。2021年時点で、全世界に447本の海底ケーブルが張り巡らされている。

ロングホール・バックボーンではDWDM技術が採用されています。DWDMとは、Dense WDM方式で、高密度WDM方式です。数十〜数百の種類の波長のレーザー光を使用して通信をするものになります。

メトロネットワークでは、CWDM技術が採用されています。Coarse WDMの略で、粗いWDM方式です。DWDMよりも少ない種類の波長を使用して通信をするものになります。

アクセスネットワークでは、FTTH、FTTBなどが使用されます。

参考 FTTHとは

FTTHとは光ファイバーの配線方式の一種です。Fiber To The Homeの略です。直訳すると「家までの光ファイバー」ですね。(適当なネイミング。。。)

他にも似たようなもので、FTTB(Fiber To The Building)、FTTC(Fiber To The Curb)、FTTN(Fiber To The Node)があり、どこまで繋がってるかで名前が違います。

FTTHは基地局から家まで全部光ファイバーなので高速です。

FTTBは基地局から建物まで光ファイバーでそのあとは光ファイバー以外なので、通信速度は落ちます。

といったようにどこまでが光ファイバーを使っているかの違いだけになります。


今回は、私たちに馴染みの深い光通信について解説しました。

本サイトでは、サイエンスに関する色々な記事を発信しています。興味のある方はぜひご覧ください。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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