半導体とは何か【用途や社会への影響まで、わかりやすく解説】

半導体

最近、半導体の不足がニュースなどでも取り上げられていて、スマホも在庫切れ、自動車も生産一時停止など色んなところに影響が出ています。

けど、そもそも半導体って何?細かくは知らなくていいから、簡単に教えて欲しい。

そんな疑問に率直にお答えします。

俗にいう”半導体”とは、材料の半導体を使って作成した集積回路などを総称した言葉です。

電気を通したり、通さなかったりするものの材料のことを半導体と呼びます。そして、この半導体という材料を使って作った集積回路のような製品も、また半導体と呼んでいます。ニュースなんかで半導体と言っているものは、半導体を材料として作った製品のことを指していることがほとんどです。下の写真のようなものが半導体です。スマホやパソコンを解体すると出てきそうなものです。

半導体を材料として作成した集積回路で、これも半導体と呼ばれています。

ある特定のものを半導体と呼ぶのではなくて、色々なものの総称なんです。ですので半導体と一言で言ってもの、実はたくさんの種類のものがあります。一つ一つを説明していくとものすごく長くなってしまうので、今回の記事では省略しています。

”半導体”って、プリウスみたいなある特定の車の名前じゃなくて、”自動車”みたいなイメージです。

最初から、ごちゃごちゃしますよね。結構、ここで混乱している人が多いのではないかと思います。学校では、電気を通す導体と、電気を通さない絶縁体の、中間の物質を半導体と言います。なんて定義で学習しているはずなので、材料のイメージがあるはずなんです。だから、半導体不足って言われたら、材料が足りないんだって、勘違いしますが、実は材料はあるけど、半導体で作る製品がないということなんです。

まずは、半導体とは、”半導体という材料を使って作成した集積回路などを総称した言葉”と覚えて貰えば良いです。

材料としての半導体と、それを使って作成した集積回路などの半導体がごちゃごちゃになるので、前者の材料としての半導体を”半導体材料”と呼ぶことにします。

半導体材料は、ほとんどシリコンです。

半導体材料は、実は数えきれないほどたくさんあります。けど、使いやすい丁度よい性能のものは限られています。現在、使われている半導体材料は、ほとんどシリコンです。

半導体材料シリコン 引用:株式会社SUMCO

では、シリコンとは何ですか、ということになるのですが、ケイ素のことです。元素記号で書くと”Si”です。ケイ素を英語で”Silicon”といいます。Siは、その頭文字です。日本人なんだからケイ素と言って下さいよと言いたくなりますが、国際的にかなりメジャーで英語圏の方がシリコン、シリコン言うので、日本人もシリコンって言っているのだと思います。

じゃあ、シリコンが半導体材料としてたくさん使われているかの理由ですが、一番大きい理由は、”安い”です。シリコン(ケイ素)は、地球の表面近くに存在する物質で、2番目に多く存在しています。その割合は25.8%です。ちなみに1番多いのは酸素で、49.5%です。詳しく知りたい方は、クラーク数をチェックしてみて下さい。このように地球上にたくさん存在しているので、安いのです。

また、シリコンが地球上にたくさんあると言っても、純度の高いシリコンが都合よく存在しているわけではなくて、他の色々な元素と結合して違う物質として存在しています。例えば、二酸化ケイ素(シリカ)などです。だから、半導体材料としてシリコンを使うためには、純度の高いシリコンにする必要があり、その製法も長年の研究を重ねて確立されたので、それが安さにつながっています。

シリコン以外にも、使われている半導体材料はたくさんある。

シリコン以外にも半導体材料はたくさんありますし、実際に使われています。これらは、化合物半導体と呼ばれてまして、複数の元素を組み合わせて作った物質になります。シリコンはケイ素という元素1種類からできていましたが、化合物半導体材料は2種類以上の元素の組み合わせということです。

青色LEDライト

化合物半導体材料で有名なものは、青色発光ダイオード(青色LED)の窒化ガリウムです。窒化ガリウムは、窒素という元素とガリウムという元素の組み合わせです。その他には、ヒ化ガリウム、リン化インジウム、炭化ケイ素などがあります。これらの化合物半導体材料も、様々な電子機器に使用されていますが、それぞれ特性が違いますので、用途によって使い分けています。一般的に、化合物半導体は、シリコンに比べると、大型化しにくいという欠点がありますが、性能的にシリコンより優れているという特徴があります。

電気自動車

最近でいうと、アメリカのテスラ社が電気自動車に使う半導体で、シリコンに代わって、炭化ケイ素を主に使用して、電気自動車を開発したことから、シリコンに代わる半導体材料として化合物半導体が注目されていますが、こんな感じで化合物半導体は将来の半導体材料として期待されています。

集積回路などの半導体は現代社会では不可欠な存在。半導体の性能が将来の社会を左右する。

これまでに半導体材料について話をしてきましたので、次に半導体材料を使って作成する集積回路などの半導体について解説していきます。半導体の種類の分類からその中身まで説明すると、莫大な量になるので次の機会に回すことにします。

半導体は私たちが普段使っているもの、見かけるものの多くに使われていて、半導体なしでは、現代の生活は成り立たないほど、不可欠な存在なんです。掃除機、洗濯機、電子レンジ、冷蔵庫、テレビ、スマホ、カメラ、パソコン、車、社会インフラなど。仮に、半導体が無くなったとしたら、一瞬で原始的な生活になると思います。

社会インフラは、半導体の存在によってコントロールされている。

私たちの生活に不可欠な半導体だからこそ、半導体の性能は、私たちの生活に直結するわけです。パソコンがスイスイ動くようになったのも、半導体の性能アップのおかげです。昔のパソコンはクリックするたびに砂時計マークが出ていて、ずっと眺めていました。半導体の性能が上がると、半導体を使っている性能が上がることはもちろんですが、小型化ができます。半導体は一つの電子機器にたくさん埋め込まれているので、半導体が高性能になって小さくなれば、電子機器も小さくできるんです。今のパソコンやスマホはびっくりするくらい薄いですもんね。

あとは、少ない電力で動く半導体であれば、省エネにも効果があります。最近は、カーボンニュートラルなんて言われますから、省エネは今後大切ですね。ほとんどの機器に半導体が組み込まれているので、半導体の省電力化がもたらす地球環境への負担軽減の影響力は計り知れないものがあると思います。


今回は、半導体とは何かについて、解説しました。最後まで読んでいただきありがとうございました。

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