AI社会では人口は少ない方が良いから少子化対策はする必要なし!:『AI✖️人口減少』を読んで

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管理人
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『読書を通じて知ったことは知って終わりではなく、本の主張に対して自分なりの考えを持ち、自分にあった形で生活や仕事に取り込み、人生をより豊かにすることが重要です。』

このようなポリシーに基づき、このページでは本を読んで思ったこと、考えなどを好き勝手に記しています。

本選びの参考にしてください。

今回は『AI✖️人口減少』(東洋経済新聞社)中原圭介著 を読みましたので好き勝手に感想を書いていきたいと思います。

読書感想

本書を読みAIが社会に与える影響を学ぶことができた。しかし最終的に本書が主張する内容とは真逆の考えを持つに至ってしまいました。特にAIが普及する場合、少子化対策はすべきでないと思いました。

AIが社会に浸透すると何が起こるのか?

AIは暮らしを便利にする。人の仕事をサポートし効率を高めてくれる。そして人の代わりに働いてくれる。AIとロボットとITこれらが融合することで今ある多くの職業を人間がやる必要がなくなる。一見便利に思えるが、重要なことは、AIが人から仕事を奪うという事実である。AIが社会に浸透すればするほど失業者が増えるのは間違いなさそうだ。当然失業すると給料がもらえないので貧困者が増える。一方でAIやロボットなどを開発して販売する企業の経営者にマネーが一極集中することになる。経済格差が著しく拡大するだろう。

経営者も従業員をいきなり解雇することはできないため、採用者を減らしたりして徐々にAIを普及していくだろう。現にそのような現象が実例として出てきているそうだ。経営者にとっては従業員を抱えることはリスクですし、人件費もかかる。AIは維持費も少ないのでAIを導入することで経営の健全化を図ることができる。

ただ日本は人口減少が進んでいるので失業者の数は緩和されるが、人口増加が進んでいる国は日本より大変なことになるだろう。

AIとロボットとITの融合はどのような仕事を人間から奪うのか?

マニュアル化できる仕事は最終的にはAIがほぼ全て代替することになるだろう。高い専門性が求められる弁護士、会計士、裁判官のような職業もAIに代替されるだろう。むしろAIの方があらゆる法律を元に判断できるため非常に精度の高い判断ができるのかもしれない。一方で創造性が必要な仕事はAIによる代替が難しいだろう。例えば、美術系、ダンサー、料理人などが挙げられる。

もちろんAIが普及することで新しく生まれる職業もあるだろう。ただ、AIの普及によって増える職業よりも、減る職業の方が多いと思うので失業者が増えるのは必須なのではないか。

失業者を増加させる他の要因は?

シェアリングがその一例です。カーシェアリングのための車が1台普及すると、車の販売数が10台減るとまで言われているそうです。最近は車だけではなく、洋服のレンタル、家具のレンタルなどが増えているのでシェアリングが普及すると企業の製造数が落ちるため失業者が増える原因になるだろう。またメルカリなどのリユースも製造数を落とす原因になる。

車で言うと電気自動車の普及も失業者を増やす原因になるそうだ。それは今のガソリン車やディーゼル車より部品数が圧倒的に少なく、組み立てが簡単だからだそうだ。今まで安泰だった産業も今後はどうなるか分からないと言うことだと思います。

ベーシックインカムは夢?

AIやロボットが人間に代わって仕事をしてくれてその収入を国民に等しくベーシックインカムとして配分されるため人は何もしなくても生きていけると言われることがあります。しかし、今の資本主義の仕組みで言うとかなり厳しいと思います。AIやロボットで利益を得られるのは経営者であり、その経営者から利益を没収し、国民に配分することはできないからです。本書にAIやロボットに課税するということが提案されており、それも一案だとは思うが、課税しすぎると企業が海外に移転することになるので、税金を多くとることは現実的でないような気がします。そのため資本主義の仕組みとベーシックインカムは相性が悪いです。共産主義は国内で得られた収益を全て没収し、配分できるのでまさにベーシックインカムそのものですが、昔は労働者が人間だったため、仕事をサボってしまい失敗しました。しかしAIやロボットは人間とは事情が違いサボることがないため、共産主義がうまく成立すると思います。そのためAIやロボットが普及したら共産主義に変更すると言うことになっているかもしれませんが、社会の仕組みを大きく変えると言うのはかなりハードルが高いように感じます。共産主義への移行は、現在、低所得者などの貧困層は良いかもしれませんが、高所得者は強く反対することでしょう。

将来AIが普及することを考えると今の少子化対策は良くない!将来の失業者を生むだけ

本書では少子化は良くないので、少子化対策を進めるべき立場です。私は本書を読んで改めて考えるとAI社会では少子化になった方が良いと思います。

AIが普及する前は、人間が労働して利益を生み出していたので少子化が進むと労働力が減り、一労働者の負担が増え、国力の衰退に繋がっていた。けどAIとロボットとITが融合し普及すると、全く事情が異なってくるので、むしろ少子化の方が良いのではないか。高齢化社会になると介護や医療の需要が増えるが、ロボットで介護したり、AIが診断したりできれば人間の労働力をそこまで投入する必要がなくなる。少子化で少なくなった労働者はAIやロボットを管理したり、AIができないクリエイティブな仕事をすれば良いのではないか。少子化が進むことで失業者を出さずに済むことができる。今、国策として大規模な少子化対策を進めようとしていますが、今すぐ中止して、AIやロボット開発への投資に回した方が将来を考えたら良いと思います。今やっている少子化対策で子供が増えると将来の失業者増加につながってしまうことを懸念しています。

私が考えるAIと共存する未来

このまま少子化が進み、少子高齢化が進み、労働人口が減っていくが、AIやロボットやIT化が進み人の代わりにせっせとAIやロボットが働いてくれます。人はAIやロボットができない仕事に励み、収入を得ています。AIやロボットの稼ぎ分は経営者が獲得することになりますが、税金としてその一部を国や地方自治体に支払うことになります。経営者とそうでない者の経済格差は広がっていきますが、GDPはAIやロボットの普及により増えるため税収は順調に増えることになります。人の仕事もAIやロボットのサポートで負担が軽くなり、余裕が生まれ、出生率が上がることにより少子化に歯止めがかかります。人口が増えることにより将来の失業者の増加につながることから政府は人口増加抑制の施策を行います。といった感じで安定した未来が待っているような気がします。

課題はAIの普及のスピード

AIが社会に普及するスピードをうまく調整することが重要だと思います。AIを急速に普及させすぎると失業者が増え、生活に困窮する者が増えて治安の悪化、政府への不満等が増える結果になります。少子化が順調に進んでいるので、失業率に応じてAIの普及を進めるべきでしょう。AIの社会普及をコントロールする上でAIの普及に対する課税と言うのは有効な手段となりうると思います。


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最後まで読んでいただきありがとうございました。

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