
『読書を通じて知ったことは知って終わりではなく、本の主張に対して自分なりの考えを持ち、自分にあった形で生活や仕事に取り込み、人生をより豊かにすることが重要です。』
このようなポリシーに基づき、このページでは本の紹介と要約に加えて、私の感想・考えなどを記しています。
本選びの参考にしてください。
『お金持ちはどうやって資産を残しているのか』(あさ出版)
著者はランドマーク税理士法人 税理士 清田幸弘氏
清田幸弘氏について 農協にて金融経営相談業務を行なったのち、ランドマーク税理士法人の代表税理士として活躍。過去に手がけた相続税申告件数はトップクラスであり、資産家、金融機関、不動産会社、税理士向けにセミナーを年間230件以上を手掛けている。相続税に関する著書なども多数。相続事業継承案件を強みとしており税務調査率は全国平均22%に対して1%と少ないことでも注目。
本の要約
相続税の目的はお金持ちに富を相続させず富の集中を防ぐこと。そして、お金持ちは税金嫌い。
日本における税金の国民負担率は50%弱。収入の半分近くが税金として没収されている。没収といっても所得の再分配により還元されるのであるが。一見日本の国民負担率は高いように見えるが世界に目を転じれば、さらに高い国民負担率の国も多々存在している。
多々ある税金のうちでお金持ちに対して大きなダメージになるのが所得税、贈与税、相続税である。それもそのはずで、これらの税金は所得が多い者、額が多いほど課税される税率が高い仕組みになっているからです。
日本の税の仕組みとして富のある者から多く税を徴収して、特定の家系の富の継続や集中を防ぐ構造になっている。お金持ちは税金が嫌いと言われる所以です。
お金持ちはお金を残すために色々な手段を使う。
本書ではお金持ちがお金を残すための具体的な手段について個別に記述があるがその紹介は割愛します。非常に多くの税額軽減策があり、例えば会社設立、養子、アパート建設、生命保険、寄付、自社株などを利用した手法があることを紹介している。
これらの方法は、一般人でも十分実行可能なものであるが、死んでからでは遅く前もって準備しておく必要があるため、効果的な相続の方法について早い段階で勉強して処置することが必要です。
書評
今は一般人でも賢く頑張ればお金持ちになれる時代。そして立ちはだかる税金の壁
タンス預金が当たり前の一昔前とは違い、最近では日本国民のお金の知識も増えて、預貯金に貯めるだけでなく、株式、債券、不動産、為替、仮想通貨などの多くの投資分野に投資して資産を増やす方が増えたと思います。お金の話はタブーではなくなりもはや当たり前になり、労働賃金一辺倒の時代にようやく終焉を迎えることが出来ると言えます。
ビジネスに成功し巨額の富を獲得した者ではない一般人でも、毎月コツコツと投資を行い、数十年かけて数億円の資産を形成できることが可能になっています。築き上げた資産を自分の子供などの次の世代に渡したいと思うのは当然のことだと思いますが、そこに立ちはだかるものが贈与税や相続税と言えるでしょう。
贈与税も相続税も同じようなもので、ある者からある者に資産を渡す際に課せられる税金という性格は同じです。巷で相続対策という言葉をちらほら耳にするようになりましたが、なるほどこの本を読んで合点がいきました。贈与税相続税双方とも結構な税率でした。最高で50%近く税金が課せられるとのことです。例えば6億円相続しようとしたら半分の3億円近くが税金で持っていかれるのです。これではたまったものではありません。
幸に本書でこの税額を軽減するための策が多く記されており、これを知るのと知らないのでは雲泥の差だと実感したところです。最近はNISAなどの非課税の恩恵が得られる制度があるが、税金対策は資産運用・資産相続において非常に重要な一要素であることは間違いなさそうだ。
凡人は悩まず、プロに早めに相談したほうが良さそうだ
しかしながら、結論として私が到達した結論は、相続における節税は各々の家庭環境や資産状況によって取りうる措置が変わること、一個人としては相続の際に取りうる手段は多数存在しておりそれらの多くは前持った準備が必要であること、であるため、私の人生においてそのような機会に遭遇した際は、なるべく早い段階でプロである税理士に相談するのが良さそうだということです。
また、税理士といっても得意とする分野はまちまちであるのが実情のようですので、相続対応の実績が多い税理士さんに相談することにしようと思いました。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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